2018年8月24日金曜日

展示「絵本をつくる -動きだすそれぞれの世界-」に参加します

今年のかつてない酷暑、みなさんどう乗り切ったでしょうか。
暑さピーク時は夜中でも鳴いていたセミも、
涼しげな秋の虫の声に変わってきて、
夏の終わりの独特なうれし寂しい複雑な気分になります。

最近よく耳にしますが、「虫の声」を認識して
楽しむことができる日本人の耳に生まれて良かったと、
この時期になるとしみじみ思います。

有り難いことに、8月中は暑さに負けないくらい
仕事も忙しくさせてもらっていて、
ひたすら家に引きこもりきりでした。
いくつも〆切があって、終わらせても次々待ち構えていて
気がつけば1ヶ月半休んでいませんでしたが、
「なんかようやくフリーランスっぽい!」といううれしさや、
ヒーヒー言いながらもちゃんと楽しんでできたのが、
これからの自信につながるような気がしています。

またそれらの仕事はまた改めて
こちらでも報告していくのでよろしくお願いします。


さて、前置きが長くなりましたが今回は展示のお知らせです。
直前になってしまいましたが、
来週明けからのグループ展に参加します。

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「絵本をつくる -動き出すそれぞれの世界-」
2018年8月28日(火)~9月2日(日)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
※土日は私も在廊予定です

seesaw. 小笠原まりえ ごとうまきこ 田渕哲 ナカノカナ


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私を含め5人の作家がそれぞれ温めてきたテーマを
プレゼンテーションする形で、原画とダミー本の展示となります。

私はヒグマの親子を題材にした物語を制作していて、
ダミー本と、原画を3点出展する予定です。


作中で明記はしていませんが、
これもやはり知床羅臼にいた頃見てきたものを思い起こし、
それとなく場所や景色も寄せています。

絵本というものが恐れ多くて、作りたくても今一つ踏み出せずにいましたが、
作らないとなんにも始まらないと思い、挑む気持ちで作成しています。

粗削りな部分もあるし、構成や文章も全く自信はないですが、
彼らのことを伝えられればと思って作った今作なので、
ぜひご覧いただけたらうれしいです。



2018年7月4日水曜日

引っ越しました

最近、新しい環境になりまして。
ようやく生活が体になじんできたようです。

ベランダの向かいの丘に牧場があり、時間になると牛が放牧され
その子らの草はみを見るのが日常です。
東京にまさかこんなのどかな場所があったなんて。
と思うくらい穏やかな時間の流れるところです。

静けさと風は北海道をほうふつとさせますが、
梅雨明け前から始まったアブラゼミの鳴き声に
あぁ本州の夏だな~としみじみ。

高尾山系も近いので、フィールドワークと銘打って先日登ってきました。
部活か!と思うくらい汗びっしょり。
水を沢山飲んでもトイレいらずの山行でした。

知床の山はまだたぶんフリースやダウンが必要な気温なはずで、
連山にはシレトコスミレやイワヒゲ、ツガザクラなんかの
小さくてかわいい花々が見ごろな時期だろうなと、
山を登るたびについ北海道の山に思いを馳せてしまいます。

せっかくまた違った場所に住むのなら、
この土地の生きものを知りたいなとも思います。
今度はピークにこだわらず観察登山もいいなー。

陣馬山で見たミミガタテンナンショウ
実が色づき始めてるのもあった

2018年6月7日木曜日

雑誌掲載していただきました

発売から日が経ってしまいましたが雑誌掲載のお知らせです。

それぞれ表紙のイラストが中村佑介さん、ヒグチユウコさんと豪華な方たちで、
本屋で平積みになっていれば、かなり目を引く一冊になっています。

まずは、4月23日に発売された「イラストノート No.46」。
仕事絵とオリジナル作品、新旧を織り交ぜて掲載していただきました。

イラストノート No.46


それから、この間6月3日に発売された「月刊MOE」。
こちらは編集の方の紹介形式の文で、自己紹介型より第三者の目線なのが新鮮でした。



どちらも全国の書店で取り扱っています。
お立ち寄りの際にはぜひお手に取ってご覧ください。

2018年4月24日火曜日

展示ありがとうございました!

先月末から今月頭にかけての個展やクリエイターEXPO出展終了後、確実に燃え尽き症候群でしばらくグダグダするかと思いきや、おかげさまで展示前よりも忙しくさせてもらっています。 半月以上も経ちながらろくにお礼のあいさつができず申し訳ないです…。 改めて、お越し下さった方、気にかけていてくれた方、応援していてくれた方、本当にありがとうございました! おかげでどちらの展示会場も、沢山の出会いがあり、北海道が広げてくれた縁だとつくづく思いました。 北海道について、知床について、動物について、昆布についてひたすらしゃべっていた気がします。 旅行するならこういうまわり方が良いとか、野生動物見たいならここがオススメ、などなどしゃべり倒しました。 一瞬、自分は観光協会の人間かなとふと思うくらい。 でも自分の絵を通して、 「知床に行ってみたくなりました」 と沢山の方に言っていただけたので、今回はその言葉で十分です。 新しい出会いはもちろんのこと、 小中学校卒業以来の友達や、小学校の恩師、鼻水垂らしてた幼少の頃お世話になった知り合いの方など、一生のうちたぶん今しか会えないかもしれない方もいたんじゃないかと思います。 (土日はゆっくりご挨拶できなかった方もいてすみませんでした…) 個展をやるって、今まで関わってくれた方へ感謝を伝えられる場だったんだと終わってみて気がつきました。 また、今回の個展「さいはての森と海から」は、北海道で巡回したいと思って現在企て中です。 いつになるか、どんな形になるかまだ分かりませんが、現地の方や興味を持って北海道に訪れている方たちにも見ていただけたら嬉しいです。

2018年2月22日木曜日

距離と憧れ

展示に向けて作品の制作が続いています。
知床の動物とテーマして描く日々の中で思うのは、
離れた今だから彼らを描けるような気がしています。


羅臼に行く前はとても憧れて、滞在中にはたくさん描こうと思っていました。
だけど実際住んでみると、思っていた以上に距離が近すぎて、
圧倒的な動物たちの存在感を目の前に実物より良い絵は描けないと思い、
なかなか筆をとることができませんでした。
(今の時期で言えば、朝起きて窓の外を何気なく見ると、カラスの大群かと思うほどの絶滅危惧種であるオオワシ、オジロワシが飛んでいます。欧米のカメラマンにしたらヨダレものだそうです)

物理的な距離ができて、想いをはせないと出会えなくなり、
再び憧れの対象の距離感になってきて気持ちが変わってきたのを自覚します。

絵を描くことは憧れることと似てる気がします。

そしてそう思った途端、
今まで記憶にためてた景色が外に出ようとして
あれも描くならこれも描かなきゃとどんどん出したいものがやってきて
制御がつかなくなっています。。

そんなことでバタバタ準備中の個展「さいはての森と海から」
北海道は主に知床の動物がもりだくさん(の予定)です。
3月29日(木)~4月3日(火)の6日間。
吉祥寺のにじ画廊さん(2Fギャラリー)が会場です。
春休みのお出かけに、花粉に負けずぜひお越しください。
北の動物一同、お待ちしています。

 






2018年1月12日金曜日

新年のごあいさつと今年の漢字

こちらでのご挨拶が遅くなってしまいましたが、
あけましておめでとうございます。

昨年北海道から帰ってきて、実質独立したかたちになり1年。
早いような気もしますが、昨年の2月にかもめ号のお披露目で羅臼に行ったのが3年くらい前のような気もしています。
それだけ、思っていたより濃い1年が送ることができたのかなと思います。

下は今年の年賀状です。
干支である犬を絶対に入れようという最初の意気込みとは裏腹に出来上がったのはやっぱり彼らが主役のものになりました…。



また我が家ではここ数年、新年らしく書初めをしています。
その年の目標をそれぞれ一字漢字で書きます。

ちなみに昨年の漢字は「続」でした。
絵を描き続けられるようにというのはもちろん、
体力作りでランニングを始めていたので、習慣化できるようにということで。
おかげで、めんどくさいなぁ~と思っても重い腰を上げるテコになってくれ、
5kmを週に2,3日が日常になってきました。
一年間合計して600km走れたので達成感も得られて得した気持ちになりました。
本当は埼玉羅臼の直線距離1000kmは行ければなお良かったですが、またそれは今年の目標です。

今年の漢字は「展」。
まさに3月の初個展が控えている他、8月も企画展へ参加予定だったり、その他にもイベントなど参加したいものが沢山あるので、単刀直入に展示の展であります。
また「ひらく」とも読むことができるので、
数年先、数十年先の礎になるように仕事の幅や人付き合いもどんどんひらいていける年にしたいという思いも込めました。



そんなこんなですが、いつもあったかく見守ってくださってる皆さん、
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2017年12月27日水曜日

新番組のお知らせとモモのはなし

先日、中学生の時に読んだミヒャエル・エンデの「モモ」を再読しました。
名作なのでご存知の方も沢山いると思いますが作者は、映画「ネバーエンディングストーリー」(和訳本「はてしない物語」)の原作者です。
時間どろぼうの仕業で時間を盗まれてしまった人々に、時間をとりもどしてくれた女の子モモの物語。
はてしない物語も大好きですが、この作品は大人になった今だからよりガンガンに揺さぶられます。
年々、この年末が訪れると同時に1年間の実感が薄れていく気がして、やれ仕事だなんだとバタバタしているのは本当に豊かな人生なのかしらとふと立ち止まって考えるきっかけをくれます。
私が持ってるモモの本は小学校の図書館でかつて使われていたもので、図書館整理の時にもらったものです。ハードブックタイプで、裏表紙の中に貸出しカードがついています。
カードには3~6年生くらいの子たちの名前が沢山書いてあるのですが、私もそうだったようにこの歳頃で出会えた本は貴重な一冊になるんじゃないかなと思います。

そんな時間どろぼうとのかけひきをしつつ仕上げたお仕事が年明けから公開されます。
1月9日からEテレで始まるアニメーション新番組「うちのウッチョパス」にて、オープニングを手がけさせていただきました!!
2018年1月9日 午後5時20分~(毎週火曜放送)
1月1日元旦の午前7時45分からのスペシャル番組『はじまるよ!アニメ「うちのウッチョパス」SP』も合わせてご覧ください。
今回はありがたいことに色々手助けをもらいながらも、演出から制作までやらせていただきました。
いつかできたらいいなぁと何となく憧れていたお仕事だったので、ワクワクと不安が満載でしたが、終わってみるとひたすら楽しんで作らせてもらったな~と思います。
不思議ないきものウッチョパスのかわいいドタバタをぜひご覧ください!

Eテレ「うちのウッチョパス」

2017年11月19日日曜日

デザインフェスタのお礼と個展のお知らせ

寒くなると、とたんに飼っていたネコのぬくもりを思い出す日が増えます。
そしてたまに、無性にネコの後頭部の香ばしいにおいをかぎたくなるのです。
ミサキがいなくなって4ヶ月。
たった4ヶ月しかたってないのか~と驚きますが、
砂時計の重力がその空間だけ極端に小さくなったような
不思議とミサキの思い出とその周辺の時間だけが
とんでもなくゆっくり進んでる気がして、
それだけ深い思い出をあの子に紡がせてもらったんだと実感します。
ミサキの記事は以前長々とここに書かせてもらいました


先日行われたデザインフェスタ、無事に2日間を終えました。
めちゃめちゃにごった返したわや※の波をのり越えて来てくださった皆さん、
遠くから応援してくださった皆さん本当にありがとうございました!!
(「わや」=北海道弁でめちゃくちゃとかカオスみたいなことです。
例)とっ散らかった部屋や猛吹雪に対して「わやだべや!」といった感じで使います)

5月に1日だけ出展しましたが、
今回2日間やらせてもらって格段に楽しかったです。
何より普段会えない方にたくさん会えたのが嬉しくて、
その出会いやつながりがいつもの制作活動の活力源になってくれます。

TVや映画のお仕事も手がけることもありますが、
見てくれた人の顔が見れたりお客さんと直に話ができるこういう機会は
絵を続けててよかったと思う瞬間のひとつです。


今年のイベントは今回でおしまいですが、
来年もまたいろいろと計画中です。
デザフェスにお越しいただいた方にはすでに予告DMをお配りしましたが
来年3月下旬に吉祥寺で個展をすることになりました!



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2018年 3月29日(木)~4月3日(火)
にじ画廊(東京・吉祥寺)
ごとうまきこ展「森と海から」(※仮タイトル)
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初春の、桜がきれいな頃だと思うので
お花見しつつおでかけしやすい時期にしてみました。
絶賛計画中ですが初めての個展になるので
何から何まで未知数で、楽しみかつ不安でドキドキします。。笑

にじ画廊さんは2階が展示会場、下が雑貨屋さんになっていて
さまざまな作家さんの雑貨や絵の販売をしています。
いまでこそ有名なクリエイターの方もここで展示していたりと、
憧れの画廊でもあります。

東京の下町吉祥寺で北の動物たちがどんな風に見えるのか。
私も楽しみです。

ぜひぜひ遊びに来てみてください!

2017年10月16日月曜日

1年間とデザインフェスタ出展のお知らせ

長雨が降って、本当に一雨ごとにみるみる寒くなりますね。
埼玉に帰ってきて、今日でちょうど1年でした。
去年の今頃、羅臼の子どもたちへの授業を終えて
たくさん後ろ髪を引かれながら引っ越しをしたのがホントに最近のことみたいです。
(授業については旧ブログをご覧ください)

季節が移っていくのを感じるたびに、
「漁火がまぶしい夜なんだろうな」とか
「羅臼川の秋アジ(秋鮭)の遡上がピークだろうな」とか
「時化て海上に大きい虹がかかってるのかな」とか
「朝陽の色が濃くなる時期なのかな」とか
「エゾシカのラッティングコール(繁殖行動)が聞けるのかなー」とか
「知床峠はそろそろ開通時間が短くなってるかな」など、
いちいち北海道のことを思ってしまいます。

もともと秋は大好きな時期だったので、
この10月から晩秋にかけて、私としてはかなり好きな時期でした。
生きものが冬にそなえて最後にきらめく一瞬の季節。
だんだんともの寂しさが迫ってくるのが
羅臼にいるとより色濃く感じることもできます。
もちろん食べ物が美味しい時期だから好きっていうのもあるんですけどね(笑)

先日ふと思い立ったテーマもやはり羅臼での体験のものでしたし、
私が今絵を描いてるのは北海道での生活がなければ無いものだったと常々思います。


そんなこんなで、今回はイベントのお知らせもあります。
来月11月11、12日(土日)で行われるデザインフェスタvol.46に出展します。
5月に出展したデザフェスvol.45の内容にまたいくつか新作を加えて展開します。
ポストカードはじめ、ステッカーは車に貼れる素材に作り替え、Tシャツも実物を持っていきます。
またしても沢山の知床の生きものを連れていくので、お近くの方はぜひ遊びに来てみてください!


デザインフェスタvol.46
11月11、12日(土、日)
場所:東京ビッグサイト
ブース:C-379
出展者紹介サイト:http://www.designfesta.com/exhibitors/introduction/jp/detail.php?id=f0ugZ6PLP12f0NWFBC1S3Q%3D%3D

会場マップです↓




2017年9月6日水曜日

No borders Café さんの看板ができました

小さいころから絵を描くのは好きで、
特に目指したわけじゃないけど好きなことをやるうちに
自然とこの世界を選んできたような気がしますが、
それが人の役に立つことがあるんだと実感し始めたのは、
羅臼に行って、地域の人の中で
色々とものづくりさせてもらったからかもしれないと最近よく思います。

人の中で人って成長するもんだと、
その実感をさせてくれた仕事がまたひとつ増えました。

あらゆる境界線を越えて人と人が維(つな)がる場所にしたいと、
ずっと構想を練ってきた羅臼の友人が、
今年4月にオープンさせた「No borders Café」。
こちらのロゴマークを担当させてもらいました。


観光の勢いが増してきた羅臼は、
ここ最近インバウンドのお客さんが増えています。
そんな海外から来た人同士が集えたり、
また地域の人とも交流できたり、
それによってもっと羅臼の魅力を情報交換できる場所を作りたいと、
よくお酒をかわしながら夜遅くまで羅臼のこれからについて談義をしました。

羅臼生まれの彼女だからこそできることが沢山あるお店だと思います。


こだわりのキッシュやベーグルサンドは
その時旬なものを使っていて日替わりになっています。
また、グリーンシーズンは運が良ければ美味しいコーヒーを飲みながら
シャチやクジラなど観測できることもあります。

※羅臼という地域がそうなのですが、
これはきっと日本中探しても無いし、世界的に見ても珍しい地域だそうです。
(羅臼の熱烈なリピーターの人であればあるほど、
教えたいけど教えたくないヒミツにしていたいスポットなんだそうな)


旅の小休憩をしつつ羅臼の濃い話をしに、ぜひ訪れてみてください。

2017年8月31日木曜日

一緒に暮らしていたネコについて-その3-

前回「一緒に暮らしていたネコについて-その2-」と、
前々回「一緒に暮らしていたネコについて-その1-」に引き続いて、
飼っていたネコの病気と生活について書いている回です。
絵のことではないのでご了承ください。

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2017年10月、私が埼玉へ引っ越すと同時に
他の治療手段があるかもしれないとミサキも連れて帰ることになりました。
埼玉へ着き、早速中標津の獣医さんに書いてもらった経過報告書を持って、
昔犬を飼っていた頃ずっとお世話になっていた
地元の個人病院へつれていきました。

まず言われたのが、猫コロナウィルスの数の多さだけで、
FIPが発症したか判断は出来ないので、
とりあえずFIPの検査をしましょうとのことでした。
これもだいぶ驚きましたが、基本的に北海道だとしてもどこの病院でも
外部機関に委託しFIPの検査はできるのだそうです。

そしてさらにビックリしたことに検査の結果はなんと陰性。
今までずっとFIPだと思いこんでいたので再び拍子抜けしてしまいました。

100%の致死率の病の可能性が無くなり、ものすごい安堵感でしたが
同時に、じゃあ何にこんなにミサキは苦しんでるだろうと、
つかみどころのないだだっ広い疑問が浮かんできました。
ただの虚弱体質と言ってしまえばそれまでですが、
原因があってちゃんと治療ができれば
また元気に走り回れるようになるだろうし、
ミサがうちにきてくれたからには、生きるサポートをしてあげたい、
むしろ私たちの精神的サポーターとして元気でいてほしい、
少しでも一緒の時間を共有したいと思っていました。


人の膝の上が大好き

この頃の全体の症状としては、
食欲は多い日と少ない日があり不安定、
左後足の反応が悪く歩行が不自由、
ビビり症で、大きな物音に異様に反応したり神経過敏、
おしっこはトイレへ行けるが、ウンチは自分の意思でできない、
旋回歩行などがありました。

ただ血液検査をするも、内臓系はすべて正常値で異状なしのきれいな健康体。
左足も外的要因(折れてる、筋肉損傷など)もみられません。
考えられるのは中枢神経の損傷か、
神経系の病気である可能性が一番高いということでした。
神経の病気は検査などの原因追及が難しいため、
大きな大学病院でMRIなどの検査をする方法なども提案してもらいましたが、
とりあえず少しずつ病気の可能性をつぶしていくことになりました。

まずは目先の問題の、食の不安定さや神経系の症状をよくするために、
ステロイド剤(状態向上)、
ビタミン剤(神経のしびれなどを緩和)、
精神安定剤(神経過敏の緩和、食欲増進)を処方してもらい、
その他サプリメントはコルディ、アンチノールを試してみました。
それからメス猫の場合、避妊手術をすると食欲が増えるということがあるので
それを期待し2回目のワクチンをした後手術をしました。

治療や手術の効果なのか、だんだんと食欲も増え、
エサも半年前の3倍以上食べられるようになり、
走り回って遊ぶ時期もあったりして筋肉もつき、
体重も最高で2.8kgまで増えました。
(処方してもらっていた精神安定剤は人間で例えるとお酒のような効果があり
満腹中枢が麻痺し〆のラーメンが食べられる状態に似た感じになるそうです。
一時期は心配になるくらいドカ食いしていました…)
無事に年も越すことができ今年2017年2、3月には
すこぶる調子も良くぽっちゃりして、
近所の人には「あらぁタヌキみたいね」なんて言われたりしつつ、
夏には羅臼に一度連れて行けるかもなんていう話まで出ていました。


ぽっちゃりして貫禄がついてきた頃
左後足は相変わらず伸びてしまう

ただ、薬をあげている以上副作用は否めません。
ステロイド剤は使用すると調子が上がり元気に見えるものの、
免疫力を下げてしまいます。
すると感染しやすくなり、膀胱炎を幾度も発症していました。
そのたびに抗生剤と時には止血剤で治療するのですが、
抗生剤の副作用で食欲が落ちる…。
ステロイドを投薬している限りこのジレンマを繰り返すことになりました。

そのうちに4~5月あたりから、
少しずつですがまた状態が後退し始めていきました。
獣医さんから再びセカンドオピニオンの提案をしていただき、
埼玉の三郷市にある病院で、日本の獣医師界でも有名な神経系の病気の研究を
けん引しているという獣医さんに診てもらうことになりました。

結果として、考えられるのは3つ。
・頭部外傷か奇形(水頭症)
 小さいころ頭を打って内出血し治った後に後遺症として神経障害になった。
 特徴として旋回歩行がみられる。

・若年性変性症(アビオトロフィー)
 大脳と小脳が委縮する病気。生後5,6か月から異変が見られる。
 (珍しい病気のためネット上では専門的なことしか出てこない)

・蓄積病(ライソゾーム蓄積病)
 細胞が新しくなる時に分解されるはずのゴミを、
 うまく出せずに溜まっていってしまい細胞自体が死んでしまう病気。
 神経細胞は新たに作られることがないため、
 死んでしまうと徐々に神経障害があらわれてくる。
 生後3か月~6ヶ月で発症。

特に、若年性変性症と蓄積症は小さい時から動きがおかしくなり、
およそ2歳ぐらいで寝たきりになるということでした。

外部損傷であればMRI検査によって判断することはできるけど
下のふたつは、脊髄や脳の病気ゆえ生前に検査する方法はなく
亡くなった後に死因解剖して初めてその病気だったと分かるとのことでした。
ただ、発症時期も同じようだし5、6月に2歳になったので、
もし下のふたつの病気なのであれば
今後寝たきりも覚悟しなければと思いました。

MRI検査をするにしても、大学病院でのあれこれや
全身麻酔をしなければならなかったりと、
そこまでの体力がその時のミサキには無い状態でしたし、
そうなるともはやミサキのためというより
飼い主側が納得するかどうかという、
本末転倒なことになりそうな気がしました。
人間側の都合で連れまわしてもさらにツラい思いをさせるだけだと思い
ひとまずこの結果を受け入れ、地元の病院で今まで通りの治療に戻りました。

もちろん症例として残れば今後の医療に繋がるのかもしれませんが、
やっと頑張って生き抜いてきたミサキに
そこまで背負わせるのは考えられませんでした。
小さいころから闘病してきたミサキ。
毎朝毎晩の薬は強制的にシリンジで飲ませていました。
その度に大きな鋭いクリクリの目で見上げられると
「何でこんなに苦しいの?」
と言われてるようで、今やっていることは
この子にとって本当に幸せなんだろうかと思わざるをえませんでした。

抱っこしてシリンジで薬をのませる

5~6月にかけて少しずつ歩行が困難になっていきました。
少し歩いてはペタンと腰が落ちてしまい、床も足が滑ってうまく歩けないので
滑り止めや絨毯をしいたり工夫しましたが
トイレもだんだんと自力で行くことが難しくなったので、
おしっこは一日に4~3回促して出してあげるようにしました。

刺激になるかなと思い初めて庭に出したとき
ビビって腰がひけていた
エサも自分で食べに行っていましたが、
座って食べるのもできず寝ているような格好で食べることが多くなりました。
食欲は落ちなかったので少し安心はしていましたが、
おもちゃで遊ぼうとしても目では追って狙う仕草をするものの
飛びかかったりじゃれたりはせず、
足が動かないのであきらめてしまう感じでした。

何かして欲しいことがあると鳴いて呼ぶことも

7月に入って梅雨明け前、
暑い夏日が続き、体がだるいのか一日中寝てる日が続きました。
食べるのもホントに少し、水もあまり飲まずずっと寝ています。
たまに起きると、座って作業している私の足を前足でちょいちょいして
抱っこは相変わらずせがんできました。
体調が悪い時ほど甘えたかったのでしょう。
このままだと脱水してしまうと思い強制的にあげてみますが
拒否してなかなか飲まず食べずでした。

足をちょいちょいして抱っこを要求
(写真は2月)


その日は、朝からおしっこの色も濃い色だったので
病院に連れていくと脱水症状だということですぐ点滴を打ってもらいました。
ここからおそらく2、3日ごとに点滴が必要になると診断され、
家で経過を見ることになり帰宅しました。
大好きなスープを目の前にあげても舐めることもしません。
撫でてあげると気持ちよさそうな表情をしていたので
横で撫でたり膝に抱っこしたりしていましたが、
午後、大きなため息をする回数が多くなりました。
(後に酸欠状態だったんだろうということが分かりました)

夕方、急に容体が悪化してんかん発作が起こり
急いで父に運転してもらい病院に連れて行きましたが、
道中私の腕の中で息を引き取りました。


2歳と2カ月。
普通のネコだったら短いのかもしれませんが
とても一生懸命生きてくれました。

ようやく長くてつらい闘病生活から解放されて、
身体も軽くなって自由に駆け回ってるんだろうなと想像すると
少しホッとします。
でも、動物はきっと人と違って
どの子も最後まで生き抜くことを選ぶんだと思いました。
死んでもおかしくない状態からの起死回生劇は本当に奇跡のようでした。

最期は脱水症状からのてんかんでしたが、
ここまで蝕んだ病名や原因は最後まで分かりませんでした。
ただ、病気の経過を見る限りだと病状が進行しているように見えたので
神経系の病気である、細胞のゴミが溜まる蓄積病や
脳が萎縮する若年性変性症だったのかもしれません。

しばらくは私も心の整理がつかず、
病院に連れていくのがもう少しでも早ければ、
何か他に手だてがなかったのかと
とても後悔して、後悔しても足りないくらいでした。

でも、どんなに尽くしても結局は後悔はするだろうし、
それだったら一緒の時間を楽しいものにすることのほうが、
今までのミサキにも、今後の私たちにも必要なことだったんだと思いました。
唯一、姉に最後合わせてあげられなかった後悔は何時までも残ると思います。。

今はもう沢山のことを教えてもらって感謝しかありません。
ここまでいっこの命に向き合えたこと、
大切なものの死を経験させてくれたことも感謝です。

もし今後縁があってまた違うネコを迎える日があったとしても
ミサキ以上のネコに出合うことは
ないかもしれないなぁとぼんやり思っています。
手を焼いた子ほど愛おしくなるものです。

3回に渡って長い長いまとまりのない文にお付き合いいただき
ありがとうございました。
ここまで読んでくださった方はきっと、
大切に想う子がいたり大変な状況の方がいるのかもしれませんね。
ミサキと私たちが経験したことが、
どこかで困ってる子たちの役に少しでも立てればいいなと願っています。

飼い主さんとその子たちの幸運を祈って。


お気に入りのおもちゃはエノコログサと鳩の羽とドコモダケのストラップ